日本財団 図書館


 

I相談事業

1.国際的児童家庭相談裏業(日本自転車振興会補助事業)

国際養子縁組

003-1.gif

ISSJでは当該年度において、日本自転車振興会の補助金を受けて、養育者のいない子どもたちが国際養子縁組によって新しい家庭の中で保護され、養育されるように、国際的児童家庭相談事業を行った。
わが国には国際養子縁組法がいまだ制定されていないので、ISSJでは国際司法として権威あるハーグ条約に則って、世界のいずれにも通用する養子縁組を行っている。ISSJでは家庭を必要としている子どもたちへの親探しはしているが、子どもが欲しいという人への手探しはしていない。なぜならば国際養子縁組はあくまでも子どもの保護を目的とする援助であり、子どもの一生に責任を持つために専門家による慎重な判断によって行われなければならないと信ずるものだからである。
国際養子縁組は子どもが養親の元へいったところで援助が終わるわけではなく、30年、40年後、自分のアイデンティティを求めて子どもから寄せられる実母探しの依頼に応えて援助が終了するもので、息の長い援助を必要としている。
ISSJの国際養子縁組事業は、発足当時から今日まで実施されてきた重要な児童福祉の援助である。その援助方法論や法的な資料は、家庭裁判所はじめ児童相談所など多くの機関へ貢献するものとなっている。
ISSJの国際養子縁組に関する原則は、養子縁組が子どもの最善の利益にかなうものという事である。様々な理由で実親や家族に育てられない子どもがおり、そうした子どもを施設でなく家庭でケアするという「国連子どもの権利条約」の理念に基づいて、子どものニーズを満たしてくれる代替的家庭を探すのが養子縁組の目的である。しかしながら、欧米社会では子どもに恵まれない夫婦が、生まれてすぐの健康な子どもが見つかりにくい等の理由で、海外に養子を求める傾向にある。少子化の進んだ日本にすら、インターネット等で情報をつかんだ欧米人夫婦が、健康な赤ちゃんを養子に欲しいと問い合わせてくる。様々な社会資源を活用することにより実親が育てることが可能であるにもかかわらず、安易に

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION